ありがたいことに、リバースワックスについてのお問い合わせが増えてきました。
このブログをご覧いただくことも多いようですので、随時事例を追加してまいります。
先日も「押し入れのニオイが気になるのですが、リバースワックスで軽減できますか?」とのご質問をいただきました。
その方は築年数が長いマンションの押し入れだったのですが、過去にも築年数が経ったマンションのニオイについて、同様にご相談をいただくことが多々ありました。
押し入れがにおう原因が木のニオイなのかカビなのか
押し入れがにおう、とひとことで言っても、原因が2通り考えられます。
ひとつめは木のニオイ(合板等の材質のニオイ)で、この場合であればリバースワックス塗布で軽減ができるかと思います。
原因がカビによるものの場合、リバースワックスだけでなく他の対処も必要
ふたつめがカビによるニオイです。
コンクリート造のマンションですと、押し入れ、クローゼットともに断熱材を入れずに躯体に直接合板を張っている場合があるのですが、コンクリート躯体と合板の間が内部結露によりカビが発生し、合板が呼吸することで、押し入れ内部のにおいの原因になることがあります。
マンション構造は、居室部分は合板を張ってからフローリングを張る2重張りであるため臭いが気になりにくいのですが、押し入れは合板の下がすぐコンクリートであるため、内部結露でカビが発生するとにおってきます。
今回お問い合わせをいただいた方も詳しくお話をお聞きしたところ(お写真も送ってくださいました)、おそらく押し入れの合板の下はすぐコンクリート(コンクリート躯体に直接合板が張られている)なのではないかと思いました。
コンクリート面および押し入れ合板の裏側にカビが発生し、このカビ臭が長時間経過により押し入れ内部でにおう原因ではないかとの推測です。
この場合、合板表面だけにリバースワックス塗布あるいはリフレパウダーによるクリーニングを行っても、何回処理しても一時的なもので効果は期待できないと思います。
押し入れ合板の色が湿気で変色している部分があれば、そこを開けて内部確認してみるのがおすすめです。
以前ご相談いただいた現場では「自己所有マンションの居室でカビ臭がする」ということで、においの強い部分の石膏ボードをはがし確認したところ、結露によるカビ発生が見られました。
そこで、コンクリートの躯体に面している壁面の石膏ボードを全てはがし、カビキラーでコンクリート部分のカビを除いてから、まずリバースワックスを、乾燥後に珪藻土塗料「リバースコート」をコンクリートに塗布し、石膏ボードを張り直しました。
コンクリートと石膏ボードとの間の空間の結露を防止するため、石膏ボードに2か所穴をあけ、1か所の方には薄型の換気扇(排気口の役割)を、もう1か所には吸気口を設けました。
石膏ボードの仕上げにはビニルクロスではなくリバースコートを塗布し、問題を解消できました。
押し入れのニオイの原因が合板だけ(木のにおい)であれば、リバースワックスだけで対応できるのですが、内部結露によるカビ臭がする場合は、ほかの対処が必要になります。
考えうる解決法としては、下記の方法があります。
- キッチンパネルなどのような呼吸しないパネル(ビニルクロスは呼吸するため臭いは止められません)を押し入れ内部の合板の上から貼り付け、隙間をコーキングで密閉する。同時に押し入れ換気扇を設置する。
- 私が以前ご相談いただいた前述の現場例と同様に、押し入れの合板を全部はがし、同じ手順で施工する。
- 屋根裏換気扇(排気専用)を設置して常時稼働させ、屋根裏を負圧にすることで室内ににおいが漂わないようにする。
いずれも費用対効果など予算のことも考えなければならないかと思いますが、ご参考になれば幸いです。
不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。
カビ臭についてはこちらの記事もご参考になるかと思いますので、よろしければご覧ください
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