柱、合板などの建材を処理することで完成時に差が出ます
下の写真のような状態の時に、リバースシーラー・工事用リバース溶液・リフレパウダー・セラミック水を混ぜた噴霧液を噴霧します。
噴霧器などでまんべんなく噴霧し、噴霧後はよく乾燥させます(1~2日程度)。
噴霧液の作り方
下記をポリ容器に入れてよく撹拌し、噴霧液を作ります。
- リバースシーラー 1リットル
- 工事用リバース溶液 1リットル
- リフレパウダー 30グラム
- セラミック水※ 18リットル
※水道水に工事用セラミックスを入れて3時間つけ置いたもの。リバース工法施工マニュアル「構造材・下地材への施工(柱等の木材・合板/床下地合板)」より
こうすることで、完成時の臭いに大きな違いが出ます。
石膏ボードを貼ってしまえば大丈夫だろうと思われがちですが、実は違うのです。
高気密高断熱になればなるほど、この作業が後々効果を発揮します。
コンセントからの通気・24時間換気システムにより有害化学物質を含んだ空気が室内に流入
では、処理をしない場合は何が起こるのでしょうか?
先日のブログで桐材を車に積んだら頭が痛くなったと書きましたが、それと同じ現象がおこる場合があります。
下の写真をご覧ください。
分かりやすくするため、コンセントカバーを外し、細く切ったティッシュペーパーを2か所(コンセントの上と近くの壁)に貼り付けました。
お分かりいただけるでしょうか?
ティッシュが風でなびいています。
家中には何十か所もコンセントが存在していますが、柱や木材の処理をしていないと、このようにコンセントの隙間から濃縮状態の有害化学物質を含んだ空気が室内に強制的に流入します(コンセント部分に気密シートが貼られていれば、だいぶ減ります)。
24時間換気で安心と思ったら、大きな過ちになる場合もありますのでご注意を。
この家で行った対処方法は、24時間換気システムを止めて必要な時に部分的に稼働させ、コンセントはすべて気密シートでふさぎ、コードだけを引き出す、というものです。
リバースコートを施工しても化学物質濃度が高い場合は、柱などの建材が原因であることも。
上記の写真とは別のとある現場で、室内には完璧と思われるほどリバースコートを施工したにも関わらず、化学物質濃度を測定したところとんでもない数値が検出されたことがあります。
原因を探し出したら、柱などの建材が原因であることを突き止めました。
集成材が多いほど結果は明らかです。
リバースコートの施工前にこの噴霧作業を行うかどうかで、完成後の臭いに差が出るのです。
最後に
弊社の施工マニュアルをご覧になった方の中には「なんでそんなことをするの?」と思われた方もいるかもしれませんが、各施工にはそれなりの理由があります。
改めて読んでいただけると「なるほど」と思われる場合もあるかもしれません。
※施工マニュアルは、弊社ウェブサイトの「資料ダウンロード」ページにてPDF形式でご覧いただけます。
個人的には、濃度測定をして有害化学物質が少ない家は24時間換気は不要じゃないかなと思います。
「有害化学物質が少ない家」、そんな認定がとれたらな~と日夜考えています。
莫大な検証費用が必要になるかと思いますが、頑張ろう。