DIYでタイルを張った方から、臭いについての相談がありました。
もともとは畳敷きのお部屋で、そこにPタイルを敷くにあたって、下地に合板をしようしたところ、合板なのかPタイルなのか定かではないけれど、有機溶剤のような臭いがするとのことでした。
どのように張ったかはお聞きしていませんが、おそらく接着剤で張り付けているかと思いますので、この場合、臭いというのはおそらく、合板、タイル、接着剤の臭いが合わさったものだと考えます。
結論としては、リバースワックスでこれらの臭いを軽減することは可能だと思いますとお答えしました。
Pタイルについてはこちらが分かりやすいです。
塩化ビニル樹脂や炭酸カルシウムなどの原料を混ぜ、薄い板状に形成した床材をPタイルといい、一般的にはコンポジションビニル床材と呼ばれています。Pタイルの大きな特徴は傷や汚れに強く、耐薬品性、耐水性、難燃焼性に優れていることから様々な場所で使用されています。
この方が使った合板は、コンクリート型枠用合板というものです。
合板は普通合板や構造用合板などと細かく別れていて、それぞれに品質が定められています。
その中でホルムアルデヒドの放散量についても定められているのですが、コンクリート型枠用合板は住宅の基礎コンクリートを打つときに使う、つまり外部に使うものなので、他の合板とは異なります。
他の合板のホルムアルデヒド放散量がF☆☆☆☆、F☆☆☆、F☆☆、F☆であるのに対し、コンクリート型枠用合板はF☆☆☆、F☆☆、F☆であり、F☆☆☆☆でなくてもよいため、臭いがきついこともあるかと思います。
※☆の数が多いほど、ホルムアルデヒドの放散量が少ないことを表します。
臭い軽減の手順
1.タイル表面にリバースワックスをたっぷりと塗る
市販のワックスモップ(ホームセンターなどでワックスのコーナーに行くと合わせて売られているかと思います)を使って、タイルの目地にも十分ワックスが入るようにたっぷりと塗ります。
ワックスを塗ったら十分に乾燥させます。
乾燥したら2回目を塗り、再度乾燥。
これを合計3回繰り返します。
状況により時間は多少異なりますが、施工後、ワックスの水分が抜けるにつれて、タイルの臭いは相当軽減されると思います。
塗った直後はワックスの水分蒸発とともに臭いが強くなることがありますが、乾燥とともに解消されます。
ワックス自体の臭いも塗布直後はするかと思いますが、こちらも乾燥して水分が抜けるのに伴って消えていきます。
ワックスをどれだけ塗るか、量の目安としては、部屋の広さが6~8畳くらいであれば、リバースワックス1リットル入りを3回~4回塗りくらいで使い切るくらいです。これくらい塗るとツヤも相当出てきますのでご留意ください。
2.壁際の床の隙間を埋める
次に、壁際の床の隙間を埋めます。
どこのことかというと、壁面の保護のために取り付ける巾木(はばき)という部材と床面との間の隙間(下の写真の赤色で囲われている部分)です。
水性の内装用コーキングボンド(コーキング、シーリングとも言います)という充填剤をここに注入し、隙間を埋めてください。
コーキングボンドはホームセンターで販売しています。
メーカーも色々ありますが、コニシというメーカーのものがおすすめです。
コーキングの色は白、透明、他にも様々あるので巾木や床面と馴染む色を選ぶと良いかと思います。
部屋の入隅(いりすみ/2つの面がぶつかり合ってできる、凹んでいる角部分)にも同様に処理するとかなり違いが出てくると思います。
タイルの下地になっている合板に手を加えるにはタイルを剥がさなければいけないため、やるとしてもかなり大掛かりになりますし、ちょっと現実的には厳しいです。
上記のコーキング処理は、上がってくる合板の臭いをブロックする役目があり、重要ですので必ず実施してください。
以上、この2つの対処で幾分軽減は可能かと思います。
もし同じようにお悩みの方がいましたら試してみてください。
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