今日は過去に参加したセミナーの振り返りです。
当時Word形式で残していたレポートを書き起こしました。
セミナーレポート
「~B to Bの新規開拓に役立つ!~ 製造業のためのWEB活用術」
2014年6月25日(水)18:30~20:30
IPCビジネス支援センター
- 企業ホームページ制作の動向1:コーポレートサイト+商品別のサイトを作る
- 企業ホームページ制作の動向2:ホームページの「メディア化」=「オウンドメディア化」
- オウンドメディアのメリット
- お客様が問い合わせしてくれるまでには「3つの壁」がある
- 3つの壁の例:主婦は折込チラシを見て瞬時に「仕分ける」
- 問い合わせを増やすためにやるべき4つのこと
- 3つの壁とその壊し方(やるべきこと)
- 行動しない壁
- 自社の「ウリ」の見つけ方
- 佐渡ではセーブオンが大人気!?
企業ホームページ制作の動向1:コーポレートサイト+商品別のサイトを作る
トヨタ自動車株式会社ホームページと、トヨタの自動車を紹介するサイトはそれぞれ別れています。
今回のセミナー講師である今井進太郎氏が経営する「グローカルマーケティング株式会社」も、サービス・事業ごとに異なるサイトを作ってブランディングしています。
▼コーポレートサイト(会社案内的なホームページ)
▼マーケティングを学ぶためのセミナー
▼新潟の子育てを楽しむための様々な活動を提供
企業ホームページ制作の動向2:ホームページの「メディア化」=「オウンドメディア化」
オウンド(Owned)=独自の・所有する、という意味。
オウンドメディアの反対として、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などのマスメディアに費用を払って広告を掲載することを「ペイド(Paid)メディア」があります。
オウンドメディア化は、自社オリジナルのコンテンツを自社サイト上に作り、自社サイトを独自の(ひとつの)メディアとして確立させることで、自社サイトに見込み客を集める戦略です。
単なる会社情報サイトではなく、見込み客が求める情報をコンテンツに変換し、より広い見込み客が自社サイトに集まる仕組みを設計します。
▼参照:有限会社 豆撰
油揚げの会社「豆撰」ホームページでは、油揚げを使ったレシピを投稿しています。
つまり「豆撰」という会社情報を伝えるだけでなく、「油揚げのレシピを知るメディア」になっているのです。
オウンドメディアのメリット
- 自然に認知を広げられる
検索やリスティング広告にも限界があり、検索だけでは出てこない潜在的な顧客を捕まえ、自社の認知を自然に広めることが可能になります。 - ブランディングができる
企業はオウンドメディアによる顧客への継続的な情報提供を通じて顧客からの信頼を獲得し、顧客にとってのファーストチョイスとなることが可能。他者との競争において一歩先んずることができます。 - 検索結果の順位を上げられる(SEO対策)
コンテンツを充実させることでグーグルなどの検索エンジンから「ユーザーに対して有益な情報を提供する優良サイト」と認識されます。
すると検索順位も自然に上げることが可能に(ある程度のコンテンツボリュームは必要)。
お客様が問い合わせしてくれるまでには「3つの壁」がある
3つの壁の例:主婦は折込チラシを見て瞬時に「仕分ける」
問い合わせを増やすためにやるべき4つのこと
- ホームページに来る人を増やす
- ホームページを訪れた人に自社を理解してもらう
- アクションを起こしたくなるようにする
- 適切なフォローアップをする
3つの壁とその壊し方(やるべきこと)
「見ない」壁①そもそもホームページアクセスしないので見ない
この壁を壊し、ホームページアクセスして来る人を増やすには…
- 検索エンジン対策(SEO対策)
- リスティング広告
- SEO対策とリスティング広告の関係
- こんな場合は要注意
検索エンジン対策(SEO対策)
SEO対策とは「特定のキーワードで検索順位を上位にさせる」ことを指します。
検索エンジン経由で訪問するユーザー数は60〜70%であり、検索した際に2ページ目までしか見ないユーザーは約70%であるため、検索順位を上位にさせることはホームページにアクセスしてくる人を増やすために有効。
検索エンジン対策といった場合、やるべきなのはグーグルの検索エンジン対策。
ヤフーの検索はグーグルの仕組みを使っているため、実質グーグル一強だそう。
グーグルの使命は「ユーザーにぴったり合った情報を提供する」こと
例えば、新潟市のラーメン屋さんを調べたくて「新潟市 ラーメン」で検索したときにラーメン屋ではなくうどん屋の情報が出てきたらユーザーはどう思うでしょうか?
「グーグルなんて役に立たない!もう使わない!」となり、グーグルは利用されなくなり、グーグルは広告収入が得られなくなってしまいます。
グーグルは、その企業の「(人間で言うところの)中身」や「友達」を見て判断し、ユーザーの要望に合った企業を検索順位上位に表示しています。
「中身」とは?〜その人自身はどんな人か〜
- キーワード出現率(ユーザーが求めているキーワードが盛り込まれているか)
- 情報量
- 更新頻度
「友達」とは?〜その人自身はどんな人か〜
友達とは「被リンク」の例えです。
被リンクとは別のページやサイトからリンクされることを指します。
Webページの評価項目の一つとして、そのページがネット上の他のどのようなページからどのくらいリンクを集めているかという情報を利用しているため、検索エンジンから高い評価を得るためには被リンクの数や質が重要となります。
▼事例:新潟県ホームページ下部の広告欄
「こんなところに広告を出して効果はあるのか?」と思われる方がいるかと思いますが、ここからクリックされることを期待しているのではなく、被リンクの評価のためだそう。
新潟県(公的機関)からリンクされている=評価が高い、ということのようです。
ブログをやるべき=検索エンジン対策になる
ブログは自社サイトに比べて更新頻度が高いため情報量も多くなります。
その結果キーワード出現率が上がって検索エンジン対策になります。
自社でSEO対策をする場合はグーグルの「検索エンジン最適化スターターガイド」を活用
リスティング広告
検索エンジンで検索されたキーワードやフレーズに対応して、検索結果ページの上部に掲載されるテキスト広告のこと。
検索連動型広告、PPC広告(PPCはPay Per Clickの略で、クリックされるごとに広告費が発生します)とも。
広告が表示される位置は、1クリックあたりの単価やクリック率などによって決まります。
リスティング広告は中小企業にこそオススメ
▼メリット
- 無駄な広告費がかからない
クリックされた時に初めて課金されるため、広告が表示されている段階では料金が発生せず無駄なコストを省くことができる。
あらかじめ予算設定が可能で、予算オーバーを未然に防ぎ計画的に運用できる。
[例]予算10,000円、1クリック単価100円の場合は10,000円÷100円=100回クリックされるまで広告が表示される。 - 検索エンジン対策のキーワード探しになる(講師の今井氏イチオシポイント)
ユーザーが「バネ」という単語を検索する時「バネ」「ばね」あるいは「スプリング」など、どれが最もクリックされるのかを把握することができる。
▼デメリット
1クリックあたり数百〜数千円になる場合がある。
リスティング広告は入札方式で単価が決まるため、競合が多いキーワードの場合は単純に価格争いになってしまい、上位表示のために莫大なコストがかかる可能性も。
例えば「キャッシング」「転職」などはくりっくされやすいため競合が多い。
SEO対策とリスティング広告の関係
「まずはSEO対策をやってみて、ダメだったら広告を出します」という人がいるが順序が逆。
先にリスティング広告を試し、どのキーワードが最もクリックされたかを基にSEO対策をするのが良いとのこと。
リスティング広告を出すにあたっては、ユーザーが探すであろうキーワード思いつく限り挙げて設定し、その中でどれがクリックされたか?を基にSEO対策をするということですね。
こんな場合は要注意
「自社ホームページの検索順位はどうなったかな?」
↓検索
「あれ?意外と上位に来てるじゃん!」
「うちのサイトもSEO対策が効いてきたのかな?」
という場合がありますが、自分で自社のページを頻繁に閲覧するから上位に表示されているだけで、自分のブラウザで見ている検索順位は本当の順位ではない可能性があります。
本当の順位を調べる際は、Google ChromeというブラウザのシークレットモードやFirefoxのプライベートブラウジングなどで閲覧します。
見ない壁②ホームページにアクセスしたが、見づらいなどの理由で見ないor直帰(1ページだけ見て次のページを開かずに帰る)してしまう
この壁を壊し、ホームページに滞在してページを見てくれる人を増やすには、ページにキャッチコピー(USP)を表示して興味を持たせることが有効です。
USPとはUnique Selling Propositionの略で、自社・自社製品のみが持つ独自の強み(ウリ)を指します。
「信じない」壁
信じない壁を壊すには…
- ホームページを訪れた人に自社を理解してもらう
- 自社と取引することでのメリット
- そのメリットの裏付け
が必要です。
ホームページを訪れた人に自社を理解してもらう
ホームページを訪れてくれたはいいが、どこを見れば分からないからトップページだけ見て帰った、では意味がありません。
それを防止するためにも、初めて訪れた人にまず知ってほしいことをまとめた「はじめての方へ」ページを設けることが必要。
製品の注文の流れなど、自社にとっては当たり前となっている情報でも「ユーザーは分からない」ことを認識し、しっかり丁寧に伝えます。
▼参照:東海バネ工業株式会社「はじめての方へ」
自社と取引することでのメリット
自社と取引することでのメリットとは、依頼することでどんな悩みを解決してくれるのかということ。
「良いことばかり言っているけど…本当なの?」と思われることもあります。
前述の東海バネ工業サイトでは、自社・自社製品のことだけでなくバネの技術情報や活躍事例集など、バネに関する圧倒的な情報量を盛り込んで信頼性を高めている。
東海バネ工業という会社を超えてバネのことを知るメディアになっている=オウンドメディア化。
メリットの裏付け
お客様の声、成功事例、活用事例など、メリットを裏付ける情報も重要です。
お客様の声を集めるのはなかなか難しいですが、ただ寄せられるのを待つだけではなく、積極的に集めることが大切といいます。
自社を知ったきっかけ、取引しようと決めたきっかけ、取引してみてどうだったかなどの項目を盛り込んだアンケートの実施など。
アンケート回収率を上げるためにクオカードプレゼントなどのインセンティブをつけることも有効。
「お寄せいただいた内容は弊社ホームページ上などで公開させていただきます」と事前に公開が前提であると知らせておくことを忘れてはいけません。
行動しない壁
行動しない壁を壊すには…
- 「反応装置」を用いて、閲覧者がアクションを起こしたくなるようにする
- 自己開示する
「反応装置」を用いて、閲覧者がアクションを起こしたくなるようにする
会社自体には興味がなくても、これが欲しい!と思わせるもの(反応装置)を用意する。
反応装置の例としては資料請求や無料見積もりなど。
自社にとっての反応装置は何か?
自己開示する
自分自身のことを公開することで、相手から好感を持ってもらいやすくする。
自己開示でおすすめなのは動画。
動画は3つの壁全てを突破する力を持っています。
▼事例:三和メッキ工業株式会社「三和メッキMOVIE」
動画では登場人物がゆる〜くメッキ加工から車内の様子までを配信しており、人となりが伺えます。
また、YouTubeは検索に引っかかりやすいためタイトルにキーワードを入れれば検索対策になり、見ない壁対策にもなります。
動画は文字情報だけよりも伝わりやすい。
会社の雰囲気や働く人の人柄が伝わり、より信頼感が増します。
自社の「ウリ」の見つけ方
「たくさんの●●がある中で、どうして当社をご利用いただいているんですか?」
既存客にこう聞き、返ってきた答えこそが自社のウリです。
多くの人はお気に入りのコンビニがありますが、「どうしてそのコンビニが好きなんですか?」と聞くと様々な答えが返ってくると思います。
- ドリップする100円コーヒーが美味しいから
- 野菜も売っているから
- ATMが便利だから
このどれもが、そのコンビニのウリです。
佐渡ではセーブオンが大人気!?
講師の今井氏が佐渡(新潟県佐渡市)で講演した際、受講者に「よく行くコンビニはどこですか?」と質問してみたところ、なんと全員が「セーブオンです」と答えたそう。
なぜセーブオンがそんなに人気なのかというと、答えは「佐渡にはセーブオンしかないから」※だったそうです。
「これしかない」「ここでしかできない」は、製造業にとって究極の「選ばれる理由」になります。
※新潟県内のセーブオンは2018年2月20日までに全て閉店し、順次ローソンとしてオープンしています。
5年前のセミナーですが、今でも役に立つ情報が多かったので記事にまとめました。